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2013年10月17日 (木)

ガレージライフTip's10 ガレージ・ピットのお話

しばらくご無沙汰していたガレージライフTip'sシリーズ。

今回は記念すべき第10回目。

テーマはかなりディープで、ガレージ・ピットのお話。

ごくたまに、メンテナンスを楽しまれるクライアントから、

ガレージ・ピットを付けたいというお話を頂きます。

ジャッキアップせずにクルマの下回りをメンテナンス出来ることから、

安全性も高く、リフトのように天井高さを気にする事もありません。

注意したいのは、

ただ床を凹ませて人が入れる空間を作れば良いという訳ではないという事。

ガレージは、いわゆる修理工場と違って

色々な使われ方をすることを想定しなければなりません。

まず、ピットである以上、万が一水が入り込んだ時の事を考え、

排水ポンプを設置します。

配水管の自然勾配だけでの排水は危険なのでやめましょう。

ピットの深さについては考え方が色々ありますが、

大げさなリフトの代わりとして考えると、

ピット内で立てることが前提となります。

ジャッキアップせずにクリーパーで潜り込む為のピット

というのも考え方としては有りですが、

ピットの幅は車輪より内側になるため、

クリーパーの動きを妨げる事になってしまう可能性があります。

さて、キチンと整備した愛車でドライブ!

その時はガレージのど真ん中にポッカリと

穴があいている事になります。

家族が落ちたら大変!

ですので床をフラットに使えるように

蓋を付けなければなりません。

当然クルマの車重にも耐えられるものにしなければ

なりませんから、

鉄板にアングルなどで補強したものになります。

これが重い!

人が持てる重さに分割しても結構な重量になります。

で、重いから動かすのが面倒になります(笑)

結果的に、あまり使われなくなります(苦笑)

という事を、設計者としては事前にお話します。

そうすると、自分は月に何回ピットに潜るのだろう?

と冷静に考え、大抵の方は「やーめた」となります。

ピットに限った事ではありませんが、

メリットだけではなく、考えうるデメリットもキチンと

説明した上でジャッジして頂く。

なんでもかんでも、「いいですね!やりましょう!」と

オプションをドンドン追加していくのは無責任だと思うのです。

クライアントから依頼を受けたプロの建築家であればこそ、

要望を俯瞰的に考察・検証し、デメリットがあれば報告する。

それをもとに判断して頂くのがベストだと思います。

そしてもちろん、

「デメリットがあるのはわかった。それでもやりたいんだ!」

となれば、

そのアツい気持ちに応えるべく、

トコトン頑張らせて頂きますよっ!

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